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再生医療について

▼再生医療とは

 

再生医療についての図

 

再生医療とは、生まれつき、あるいは疾病・不慮の事故・加齢に伴い、欠損・損傷・機能低下した組織や臓器を、患者の体外で培養した細胞や組織を用いて修復再生し、機能を補完する医療です。

従来の対症療法に対し、欠損・損傷した臓器を再建させることで、疾病や損傷への根治療法が可能となり、患者や高齢者、障害者の生活の質(QOL:Quality of  life)が飛躍的に向上し、社会復帰と生活自立が可能となるため、医療分野にとどまらず、産業構造、社会構造の変化をもたらすことが期待されています。

厚労省は再生医療について次のように定義しています。
1、患者の体外で人工的に培養した幹細胞等を、患者の体内に移植等することで、損傷した臓器や組織を再生し、失われた人体機能を回復させる医療。
2、ないしは、患者の体外において幹細胞等から人工的に構築した組織を、患者の体内に移植等することで、損傷した臓器や組織を再生し、失われた人体機能を回復させる医療

(出所:厚生労働省・多能性幹細胞安全情報サイトより)

 

 

 

 

▼今までの医療との違い

 

今までの医療との違い図

 

従来の医療では、生まれつき、あるいは加齢や疾病、不慮の事故で、組織や内臓の機能を失った場合それを補てんする対症療法を主としてきました。ひとたび発病、受傷すると、対応する治療法はあるものの闘病生活は長期間に及び生涯にわたって投薬治療や人工透析、ペースメーカー、人工関節などの医療機器、医療器材に依存せざるを得ず、患者の生活の質と自立が制限されてきました。
闘病が長期化することにより、患者本人や看護・介護をする家族は離職をせざるを得ない状況となることもあり、経済的負担、精神的負担も社会問題化しています。医療費も増加の一途をたどり、看護業界や介護業界の人材不足も引き起こしています。根治療法となりうる臓器移植は、拒絶反応や感染症のリスクがあるため、術後に免疫抑制剤の内服が必要となるうえ、ドナーが絶対的に不足している現状から、従来の医療にかわる標準的治療としては未だ確立していません。

再生医療は、細胞や組織を再生し失われた人体機能そのものを回復させるという、従来の医療とは全く異なるアプローチから根治療法を目指しています。根治療法の確立によって、長期間に及ぶ内服治療や医療器材の使用も必要がなくなり、闘病生活が短縮化され、患者の社会復帰が容易になります。同時にこれまで治療法のなかった、脊髄損傷や脳梗塞後の麻痺の改善、難病の治療法の確立、加齢に伴い変形する関節や骨格、臓器の機能回復も見込まれます。従来の闘病生活と比べ、患者や高齢者、障がい者のQOLが格段に向上し、日常生活の自立が可能となり、家族の看護・介護負担も軽減されます。

 

 

 

▼再生医療と法律

 

再生医療と法律の図

 

再生医療の具現化に向けて、平成25年11月に再生医療等安全性確保法と、薬事法改正法(医薬品医療機器等法)が制定されました。
旧薬事法の下では、日本の再生医療開発における薬事承認は3件のみにとどまり、海外特に欧米の開発競争に立ち遅れていましたが、新薬事法では再生医療の実用化に向け、従来の「医薬品」「医療機器」とは別に新たに「再生医療等製品」というカテゴリーを設け、一定数の有効データが得られれば販売認可が下りるよう改正しました。再生医療等安全性確保法と薬事法改正法は、平成26年11月25日に施行され、最短2年で再生医療の実用化が可能となりました。
 

 

 

 

▼再生医療の将来性

経済産業省は、再生医療産業の世界市場規模は2012年時点の1000億円程度に対し、2020年に1兆円、2030年には約12兆円に達するという試算を発表しています。国内市場規模では、2020年には950億円、2030年に約1兆円に達すると見込まれ、細胞の培地や、低温輸送、分析機器など再生医療周辺産業においては、世界市場規模で2030年に5.2兆円、国内市場規模で5500億円に拡大する見通しとなっています。

 

 

 

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